R.I.P. ホイットニー・ヒューストン

2012年2月11日「ポップスの女王」とも呼ばれるアメリカの人気歌手、ホイットニー・ヒューストン(Whitney Houston)が、ロサンゼルス郊外のホテルで亡くなった.
ヒューストンのあまりに早すぎる死に、死因がスペキュレーションされている.
12日のグラミー賞授賞式に先立ち、ホテルで開かれるパーティーに出演する予定だったという彼女.
彼女がヘロインなどの薬漬けだったとか、破産寸前だったとか、スキャンダラスな事にフォーカスするのではなく、今は彼女の功績だけを讃えたいファンがどれほどいるだろうか.
久々に彼女のヒット作の数々を聴き直し、彼女の歌声を恋しく思うファンがどれほどいるだろうか.

1990年代から製作しようとしていたリメイク映画『Sparkle』は遂に完成し、2012年8月に公開をひかえていた.
歌手として成功する三人姉妹の母親役でホイットニー・ヒューストンも出演している映画だ.

その美しくパワフルなシンギングヴォイスとともに映画界でも活躍すると思われていたが、『ボディガード』『ため息つかせて』『天使の贈りもの』そして『Sparkle』というたった四作の映画を残し、この世を去ってしまった.
Rest In Peace ホイットニー.
下界から神に向かって謳っていたあの美声を、今度は空から降り注いで欲しい.
せめて今宵は彼女が出演した映画のサントラでも聴いて彼女を送り出そう.

『ボディガード』(The Bodyguard)

“I Have Nothing”

The Bodyguard Original Soundtrack

日本映画『用心棒』が好きだと言っていたフランク役のケヴィン・コスナーとレイチェル役のヒューストンとのラブ・ケミストリーはともかく、音楽が際立った映画だった.
グラミー賞 Album of the Year(最優秀アルバム賞)でもあったサウンドトラック.
永遠のラブソングと評価も高い「オールウェイズ・ラヴ・ユー」(“I Will Always Love You”) は、ドリー・パートンのオリジナルをヒューストンがカヴァーしたもので、Billboard Hot 100(ビルボードホット100)に14週間君臨した.
“I Have Nothing”、”Run To You” はアカデミー賞オリジナル作曲賞にノミネートされている.

 
 

『ため息つかせて』(原題:Waiting to Exhale)

“Exhale (Shoop Shoop)”

Waiting to Exhale Original Soundtrack

テリー・マクミランのベストセラーを原作とし、それぞれに仕事、不倫、恋愛、結婚などの悩みを抱えた四人の黒人女性(ホイットニー・ヒューストン、アンジェラ・バセット、レラ・ローコン、ロレッタ・デバイン)の友情を描く物語.
フォレスト・ウィテカーが監督を務め、ベイビーフェイス (Babyface)が音楽担当をした.
つい最近、アンジェラ・バセットが、同じ監督で、同じ四人の女優で、この映画の続編が作られるとインタビューで応えたばかりだった.ここでもホイットニーのカムバックの機会があったかと思うと残念だ.

 
 

『天使の贈りもの』(原題:The Preacher’s Wife)

“I Believe in You and Me”

The Preacher’s Wife Original Soundtrack

ペニー・マーシャル監督、チャーミングなデンゼル・ワシントン主演でクリスマス家族映画として製作された、1947年映画『きまぐれ天使』(原題:The Bishop’s Wife)のリメイク作品.
サントラはゴスペル音楽としても大ヒットした.