サイバー、ハッカー、クラッカー関連映画

国会や政府、会社へのサイバー攻撃が相次いでいます．
参議院のネットワークに対するサイバー攻撃をはじめ、総務省、国土地理院、三菱、富士通など被害を受けているそうです．
今日１１年１１月１１日に、全国の自治体さえも攻撃を受けたというニュースが眼につきました．
これはもちろん日本だけではなく世界中でおこっている事です．
アメリカ情報機関は今月初め、サイバー攻撃によるスパイ活動を通して米国の貿易・技術関連の機密情報を盗み出している国があると名指しの報告書を出しました．
国がかりでのサイバーアタックがある中、もちろん個人や集団で行われる事の方が多いでしょう．
反体制、反格差デモを支持したり、メキシコの麻薬組織国際的に「宣戦布告」したり、ソニーのプレイステーション・ネットワークの攻撃や、いくつかの国の国防省サイトの攻撃に関わっているかもしれない、と言われているハッカー集団「アノニマス（Anonymous)」のニュースも最近大きく出ています．
この集団をテーマにした映画ができるのはそれほど遠い将来ではないでしょう．
１１・１１・１１が揃った所で、サイバー（コンピューター、インターネット）や、ハッカー、クラッカー、ハッキングなどをテーマにしたり、関連した映画を１０本おすすめします．

トロン（原題：Tron）

アメリカ公開　１９８２年
監督　スティーブン・リズバーガー
出演　ジェフ・ブリッジス、ブルース・ボックスライトナー、デビッド・ワーナー、シンディ・モーガン
音楽　ウェンディ・カルロス
主題歌　ジャーニー『Only Solutions』

ソフトウェアメーカーで働く主人公ケヴィンは、自分が開発したゲームの全データを同僚に盗まれてしまう．その同僚は、ケヴィンのデータを元に大出世．
ケヴィンは彼の盗作の証拠を掴むためハッキングをはじめるのだった．
今ではカルトクラシックと言われるこの映画、ティム・バートンがアニメーターを務めた事でも有名で、当時としては画期的な作品．
アクションパックのSF映画は、コンピューターの世界に入り込んでしまう主人公の物語をテクノロジー満載でスタイリッシュに仕上げている．

■ 【iTune 映画 ダウンロード】 トロン：オリジナル （字幕版）
■ 【サウンドトラック】 iTunes
 

ウォー・ゲーム（原題： WarGames）

アメリカ公開　１９８３年
監督　ジョン・バダム
出演　マシュー・ブロデリック、アリー・シーディ、ダブニー・コールマン、ジョン・ウッド、バリー・コービン

自分の成績さえも学校のコンピューターシステムにハッキング（クラッキング）して変えてしまう高校生のデイヴィッド．
ある日偶然アメリカ合衆国とソビエト連邦との核戦争をシミュレーションするゲーム「世界全面核戦争」を見つけ、遊びに興じる．
しかし、これはゲームではなかった．
こどもが核戦争へのカウントダウンを引き起こしてしまうというこの作品は、コンピュータ制御の戦争システムの危険性を描いていて、公開から３０年以上近く経った今も的確にメッセージを伝えている．
パーソナルコンピューターが普及し始めた１９８０年代に、実際におこったアメリカ軍でのインシデントも含め話題になったこの映画はおすすめの一作である．

スニーカーズ（原題：Sneakers）

アメリカ公開　１９９２年
監督　フィル・アルデン・ロビンソン
出演　ロバート・レッドフォード、シドニー・ポワチエ、ダン・エイクロイド、リヴァー・フェニックス、デヴィッド・ストラザーン、メアリー・マクドネル、ベン・キングズレー、ジェームズ・アール・ジョーンズ
音楽　ジェームズ・ホーナー

セキュリティの侵入調査を専門にするマーティン．彼を中心としたハッカー集団は、それぞれ秘めた過去を持つメンバー５人でできていた．
ある日、国家安全保障局（National Security Agency、NSA）から来たと言う男たちから奇妙な依頼を受ける．
ソーシャルセキュリティハッキングと思われたが仕事は実はどんな暗号でも解いてしまうというチップを天才数学者から盗み出すことであった．
コンピュータハッキングをテーマに、レッドフォードをはじめとするチームを豪華キャストでまとめた、陰謀論好きの観客以外にもうけたヒット作．
今は亡きリヴァー・フェニックスを再び見られるのもプラス．

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ザ・インターネット（原題：The Net）

アメリカ公開　１９９５年
監督　アーウィン・ウィンクラー
出演　サンドラ・ブロック、ジェレミー・ノーサム、デニス・ミラー
音楽　マーク・アイシャム、ジェフ・ロナ
主題歌　アニー・レノックス『青い影（A Whiter Shade of Pale)』

コンピューター・アナリスト、アンジェラはソフトなどのバグを発見、修正するデバックの仕事をしていた．
孤独な彼女の話す相手といえばオンラインのチャット相手のみ．外にさえあまりでないアンジェラはある日同僚から謎めいた依頼を受ける.
同僚は何者かに殺害され普通ではアクセスできない政府の機密情報サイトにつながる方法を見つけてしまった彼女は陰謀に巻き込まれていく．
コンピューターに頼り切ってる現代の構造に忠告を投げかける作品．
当時、多くの人を恐れ心配させたスリラーは１５年以上経った今でも観ていてハラハラする秀作である．
ブロックが地味な役柄を要所を押さえながら見事に演じきっていて彼女が歌う『ムーン・リバー』が聞ける．

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サイバーネット（原題: Hackers）

アメリカ公開　１９９５年
監督　イアン・ソフトリー
出演　ジョニー・リー・ミラー、アンジェリーナ・ジョリー、フィッシャー・スティーヴンス、フェリシティ・ハフマン、ロレイン・ブラッコ

子供の頃ニューヨーク証券取引所を含むウォール街のコンピューターシステムにウィルスを送り、１８歳になるまでコンピューターを触る事さえ禁止されてしまった天才ハッカー、デイド．
新しい高校でできた仲間のひとりが、他のハッカーにはめられ、ぬれぎぬをきせられてしまう．
母親の経歴を人質にとられ怒ったデイドは、世界中のネット仲間を集め、反撃をし始めるのだった．
若き日のジョリーと彼女の最初の夫となったミラーが共演している．
他の作品に比べて演技もエフェクトもB級と言えるが、ハッカーたちがたくさん出てくる醍醐味もある．
今見るとそのコンピューターの古さや、公衆電話の多さに驚いてしまう．
同年に公開された『ザ・インターネット』は現在観ても見応えがあるが、この映画は残念ながら古さが目立ってしまうかもしれない．
 

マトリックス（原題：The Matrix）

アメリカ公開　１９９９年
監督　ラリー・ウォシャウスキー、アンディ・ウォシャウスキー
出演　キアヌ・リーブス、ローレンス・フィッシュバーン、キャリー＝アン・モス、ヒューゴ・ウィーヴィング、ジョー・パントリアーノ、グロリア・フォスター

トーマス・アンダーソンは、昼は大手ソフトウェア会社のプログラマー、夜はあらゆるコンピューター犯罪を起こす天才クラッカー、ネオとして生活していた．
そんな彼は、モーフィアスという人物から、彼の生活する世界は現実ではなくコンピューターによる仮想現実だと知らされる．
CGをふんだんに使い、技術面でアカデミー賞を多く受賞．
大ヒットしたシリーズの第一作目でキアヌの名をスターダムにのしあげた．
香港で既に使われていたワイヤーアクションを取り入れたアメリカ映画としても有名である．

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ザ・ハッカー（原題： Takedown/Track Down）

アメリカ公開　１９９９年
監督　ジョー・チャペル
出演　スキート・ウールリッチ、ラッセル・ウォン、アンジェラ・フェザーストーン、ドナル・ローグ、クリストファー・マクドナルド、トム・ベレンジャー

FBIに追われる身であるミトニックは、ハッカー対策の第一人者として意見を述べていた下村をテレビで見て自分と違い人々に尊敬されている彼に敵意を覚える．
下村の研究情報、メール、ファイル等の資料を盗み出したミトニックは、コンピュータウィルスのワクチンを作るためのウィルスがある事を知る．
そのウィルスは、セキュリティを無効にし、電気や電話などのインフラ設備に侵入でき、国をも覆す事ができるパワフルな物で、ミトニックは、暗号化されたデータを解読しようとするのだった．
日本人の物理学者、セキュリティ専門家の下村努著作『テイクダウン（Takedown)』を原作とした映画．
ノーベル化学賞を受賞した生物発光研究者の下村脩の息子でもある下村努の本は読み応えがある．
彼の本を読むとともにケビン・ミトニックの著作を読むのも両氏の見方の違いがわかって興味深いかもしれない．
下村の作品『テイクダウン（Takedown)』をもとにしておきながら、東洋人俳優ウォン演じる下村ではなく、白人俳優ウールリッチ演ずるミトニックが主役．
アジア男性主役では観客を呼べないとアメリカでは思われている故である．
格闘技以外でのハリウッド映画で東洋人男性が堂々と主役をとれる日が来るのはいつの事だろう．
 

ソードフィッシュ（原題：Swordfish）

アメリカ公開　２００１年
監督　ドミニク・セナ
出演　ジョン・トラボルタ、ヒュー・ジャックマン、ハル・ベリー、ドン・チードル

ハッカーの王者と呼ばれていたひところと比べ落ちぶれ荒んでいるスタンリー．彼の元に、極秘作戦「ソードフィッシュ計画」で残った裏金をハッキングで奪ってくれという依頼がくる．
前科者の彼は愛する一人娘の親権を取り戻すためキケンな賭けをするのだった．
まったく真実味がない．しかし、娯楽性満点のスリラー映画だ．
トラボルタが悪なのか善なのかラインがあやふやな所、ベリーの肢体、チードルの押さえた演技が見どころ．

■ 【iTune 映画 ダウンロード】 ソードフィッシュ（字幕版）
 

ダイ・ハード4.0（原題：Die Hard 4.0 / Live Free or Die Hard）

アメリカ公開　２００７年
監督　レン・ワイズマン
出演　ブルース・ウィリス、ジャスティン・ロング、ティモシー・オリファント、クリフ・カーティス、メアリー・エリザベス・ウィンステッド、マギー・Q、ケヴィン・スミス

ダイ・ハードシリーズ四作目．
頭脳明晰なアメリカ合衆国国防総省のチーフプログラマー、トーマス．彼は危機管理システムの欠点を発見し上司に指摘するが、彼の忠告は聞いてもらえず辞職に追い込まれてしまう．
ハッカーたちを騙し政府、金融機関などへサイバー間侵入する事に成功したトーマスは、ライフラインから防衛システムまでをコントロールするといったサイバーテロアタックを開始する．
刑事ジョン “why me?””wrong place, wrong time” マクレーンが今回たたかう相手はサイバーテロリストで、相棒はコンピューターに詳しい青年．

■ 【iTune 映画 ダウンロード】 ダイ・ハード4.0 (字幕版)
 

ソーシャル・ネットワーク（原題：The Social Network）

アメリカ公開　２０１０年
監督　デヴィッド・フィンチャー
出演　ジェシー・アイゼンバーグ、アンドリュー・ガーフィールド、ジャスティン・ティンバーレイク、アーミー・ハマー、ルーニー・マーラ
音楽　トレント・レズナー、アッティカス・ロス

ガールフレンドのエリカにふられ、怒りをどうしていいかわからないマークは、自分のブログに彼女の悪口を書き並べていた．
酔いついでに、自分が通うハーバード大学のコンピューターをハッキング、女子大生の身分証明写真をインターネット上に公開し、顔を比べて勝ち抜き投票させるゲームを考案、「フェイスマッシュ」というサイトを立ち上げてしまう．
あまりにも有名なフェイスブック（Facebook）の創設者マーク・ザッカーバーグをモデルとした創造性豊かなアカデミー賞ノミネート作品．
秀悦脚本、名演出の上に、アイゼンバーグとガーフィールドの演技が素晴らしい．

■ 【iTune 映画 ダウンロード】 ソーシャル・ネットワーク (字幕版)
 

同じくデヴィッド・フィンチャー監督で来年公開される予定のスリラー映画『ドラゴン・タトゥーの女』(The Girl with the Dragon Tattoo) は，『ソーシャル・ネットワーク』にも出演していたルーニー・マーラが主役のリスベットを演ずる．リスベットは、ハッキング能力も高く、“ワスプ”という名でハッカー仲間から畏敬の念を抱かれているという設定だ．

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