悲劇から喜劇、娯楽大作からインデペンデント作品、その上アニメーション映画の声の出演までこなす、ハリウッドでも有数のメガスター、ジョニー・デップ.
1980年代後半に放映されたテレビドラマ『21ジャンプ・ストリート』(原題:21 Jump Street)に出演し、ティーンアイドルと呼ばれていた彼を映画の主役として抜擢し導いたのは、二人の奇才監督ジョン・ウォーターズとティム・バートンです.
ジョニー・デップは、このうちティム・バートンとその後もタッグを組み、今月公開の『ダーク・シャドウ』を入れるとコラボレーションが8作品に及びます.
ジョニー・デップ以外にもヘレナ・ボナム=カーター、クリストファー・リー、マーティン・ランドー、故マイケル・ガフ、マイケル・キートン、ダン・デヴィートなど、同じ俳優を起用する事が多いティム・バートン監督.
『バットマン・リターンズ』でインパクトのある(セクシーな)キャットウーマンを演じ、新作『ダーク・シャドウ』で家族を守る強い女性を演ずるミシェル・ファイファーは、バートン監督と再び仕事をする機会を持ち望んでいた、とインタビューで語っています.
恩を感じ、深い友情で結ばれているバートンからの映画出演オファーは断らないと言うジョニー・デップ.
しかし、ハンサムな素顔のまま、シリアスな役を演じてくれる事を望むファンの間では、彼らのパートナーシップに対して賛否が分かれているようです.
ティム・バートン監督との間にふたり子供を授かった女優ヘレナ・ボナム=カーターによると「兄弟みたいだ」というそのデップ&バートンの共同作品、あなたはどの映画がお好きですか.
シザーハンズ(原題:Edward Scissorhands)
アメリカ公開 1990年
PG-13 (USA)
PG-12 (JPN)
共演者:ウィノナ・ライダー、ダイアン・ウィースト、アンソニー・マイケル・ホール、キャシー・ベイカー、ヴィンセント・プライス、アラン・アーキン
偉大なるヴィンセント・プライスの遺作映画は、うまく会話が成り立たず孤独感を感じて育ったティム・バートン自身を表現した映画でもあります.
両手がハサミという発想に驚嘆するとともに、それが意味する暗の悲しさを切なく見つめてしまいます.
チャールズ・チャップリンを思わせるジョニー・デップのわずかな表情の動きに注目.
ダイアン・ウィースト演ずるペグのあたたかさや優しさに包まれるこのゴシック・ファンタジーは時代を超えて心動かすものがあります.
続編を作りたいと言っていたデップですが、密かにそれを願っているこの映画のカルトファンも多いでしょう.
エド・ウッド(原題:Ed Wood)
アメリカ公開 1994年
R (USA)
共演者:マーティン・ランドー、サラ・ジェシカ・パーカー、パトリシア・アークエット、ビル・マーレイ、ヴィンセント・ドノフリオ
良くも悪くも「史上最低の映画監督」と言われた映画監督エド・ウッドをジョニー・デップが憎めない楽天主義者として演じています.
マーティン・ランドーがアカデミー助演男優賞を受賞し、サポート役も充実した作品は、実際のエド・ウッド作品同様、好き嫌いが分かれるかもしれません.
スリーピー・ホロウ(原題:Sleepy Hollow)
アメリカ公開 1999年
R (USA)
共演者:クリスティーナ・リッチ、マイケル・ガンボン、ミランダ・リチャードソン、クリストファー・ウォーケン、クリストファー・リー、マイケル・ガフ
この映画はジョニー・デップよりミランダ・リチャードソンの演技が見物です.
連続首なし殺人事件という題材ですので、残酷な描写が多々あります.ロマンティックなだけの映画ではない事を知った上で御覧ください.
ティム・バートンのコープスブライド(原題:Tim Burton’s Corpse Bride)
アメリカ公開 2005年
PG (USA)
声の共演者:エミリー・ワトソン、ヘレナ・ボナム=カーター、トレイシー・ウルマン、アルバート・フィニー、クリストファー・リー、マイケル・ガフ
ディズニーで学んだとは思えない独特なバートンのアニメーションの世界に思わず魅き込まれてしまいます.
これは控え目で気弱なヴィクター役のジョニー・デップより、コープス・ブライドの声を担当したヘレナ・ボナム=カーターの力量をもって切ないラブストーリーに仕上がっています.
このヘレナ・ボナム=カーターが素晴らしい物言いで声の出演をしたニック・パーク(アードマン)の作品『ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!』(原題:Wallace & Gromit: The Curse of the Were-Rabbit)が奇しくも同じ年に公開され、『ティム・バートンのコープスブライド』を敗ってアカデミー長編アニメーション賞を受賞しています.
『コープスブライド』はアニメーションですが、『ウォレスとグルミット』と違って小さい子供用というわけではないのでご注意ください.
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チャーリーとチョコレート工場(原題:Charlie and the Chocolate Factory)
アメリカ公開 2005年
PG (USA)
共演者:フレディ・ハイモア、デイビット・ケリー、ヘレナ・ボナム=カーター、ミッシー・パイル、ジェームズ・フォックス、ディープ・ロイ、クリストファー・リー、アナソフィア・ロブ、ジュリア・ウィンター、ジョーダン・フライ、フィリップ・ウィーグラッツ
ジーン・ワイルダー主演の『夢のチョコレート工場』(原題:Willy Wonka & the Chocolate Factory) が好きだった人には受けいられなかった作品.
原作であるロアルド・ダールの児童文学小説の真の魅力を追ったファンタジー・コメディは、少しの怖さ(もしくは不気味さ)はあるものの、家族揃って観られる映画です.
心優しい家族思いの少年チャーリー、食いしん坊で何でも食べたがる少年オーガスタス、勝つことにこだわりガムの噛み競争の最中の少女バイオレット、お金持ちでわがままな少女ベルーカ、テレビやゲーム好きで反抗的な少年マイク、というひとくせもふたくせもある子供達を子役達がすばらしく演じています.
ジョニー・デップがまるでジョニー・デップに見えず驚きます.
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スゥイーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師(原題:Sweeney Todd: The Demon Barber of Fleet Street)
アメリカ公開 2007年
R (USA)
共演者:ヘレナ・ボナム=カーター、アラン・リックマン、ティモシー・スポール、サシャ・バロン・コーエン、ジェイミー・キャンベル・バウアー
ホラー小説『スウィーニー・トッド』を題材としたスティーヴン・ソンドハイム作詞・作曲のミュージカルが有名ですが、ジョニー・デップがミュージカルに挑戦した事も話題になりました.
ヘレナ・ボナム=カーターが久しぶりに彼女の本来の演技力を見せる事もでき、イギリス映画時代の彼女を懐かしむファンには嬉しい変化でした.
殺人シーン、カニバリズム描写があり、残酷極まりない事を承知で御覧ください.
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アリス・イン・ワンダーランド(原題:Alice in Wonderland)
アメリカ公開 2010年
PG (USA)
G (JPN)
共演者:ミア・ワシコウスカ、ヘレナ・ボナム=カーター、アン・ハサウェイ、アラン・リックマン、マイケル・シーン、ティモシー・スポール、クリストファー・リー、イメルダ・スタウントン
数学者ルイス・キャロルの有名な小説『不思議の国のアリス』と『鏡の国のアリス』を原作にして、その後日談的として語られる奇抜なバートンワールドは、ここでは眼の保養のみ.
あまりに出番の少ないジョニー・デップですが、それなりにファンならば楽しめるでしょう.
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ダーク・シャドウ(原題:Dark Shadows)
アメリカ公開 2012年
PG-13 (USA)
PG-12 (JPN)
共演者:エヴァ・グリーン、ミシェル・ファイファー、ヘレナ・ボナム=カーター、ジョニー・リー・ミラー、クロエ・グレース・モレッツ、ジャッキー・アール・ヘイリー、ベラ・ヒースコート、ガリー・マクグラス、レイ・シャーリー、クリストファー・リー、アリス・クーパー
ジョニー・デップの魅力もさることながら、バートン特有の世界が好きなファンにはある程度楽しめる佳作.
1970年代のミュージックシーンが好みの方には嬉しいシーンが随所にあります.
この映画の見どころは、何と言ってもメイン州を舞台とした街の色合い、そして悲しいまでも苦しい愛を求めるエヴァ・グリーンのウィッチぶりと言えます.
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一番好きという訳ではないのですが、一番強烈な印象を残したのは「シザーハンズ」です。
最初に見た時何がなんだかわからなくて、なぜか気持ち悪くて、途中で見るのを辞めてしまいました。
何年か後、再び友人と一緒に見ました。そして映画を見ながら彼が泣いているんです。
「どうやったらこんなはさみを両手に持つ想像力が生まれるんだろう」と聞こうとした矢先です。前から映画を見て泣く男でしたが、これって泣けるシーンなのかと繊細さのかけらもない事を思ってしまいました。
「大丈夫か」と聞くと「わかるんだ。彼の気持ち。孤独で、誰かと一緒にいたいのに、その誰かに近づこうとするとかえって傷つけてしまう。あんなに相手の事を思っているのに」
そう応える彼に薄っぺらな気持ちでのほほんと見ていた自分が恥ずかしかったです。
ジョニーデップの悲しげな顔と友人の泣き顔が相まって忘れられない映画になりました。
スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師
おどろおどろしくてたまらない。
演技はジョニーデップよりアランリックマンの方が良かった。
このリストの全ての映画を観た訳ではありませんが、チャーリーとチョコレート工場が一番好きです。
貧しくてもお互いを思いやるチャーリーの家族が愛おしくてなりません。
狭い家の中、父方と母方の祖父母4人ベッドに交互に入って横たわっているのも好きです。
この家族が優しさを分けてくれるようで一緒にキャベツスープを飲みたくなります。
このチャーリーに比べたら他の子達は怖いくらいですが、それなりに自我があって楽しく見れました。
確かにジョニー・デップは彼とは思えないようなメイクをしていて子供が嫌いという設定も興味深いものでしたが、彼と彼のお父さん(あれはクリストファー・リーなのでしょうか?)の関係にも胸打つものがありました。
こういう映画をもっと観たいです。
この中でおすすめはシザーハンズとチャーリーとチョコレート工場だけです。あとの映画は好きになれませんでした。
私はコープスブライドも好きでした。