動物版オスカー「肉球賞(Pawscar Awards)」発表

犬のアカデミー賞、犬版オスカーとメディアに騒がれている「金の首輪賞」.
その一方で、有名映画監督に茶々を入れられることもなく、人気俳優が水を差すような事もなく、静かに、そして確実に、様々な動物の演技を長年見守っている団体が創設した賞がある.
「Pawscar Awards」だ.

創立135年の歴史を持つアメリカ動物愛護協会(American Humane Association)の中に The Film and Television Unit という部署が存在する.
この組織は、1940年以来映画やTVで演技をし活躍する動物達が、完璧を追求するあまり、映画製作者にひどい仕打ちをされないよう見届けるという役割を担ってきた.
「この映画を創る上で、傷つけられた動物はいません」
“No Animals Were Harmed in the Making of This Motion Picture.”
という「太鼓判」を押され、この団体の「お墨付き」の映画を観られる事は、動物好きのアメリカ人観客にとってはとても大切な事なのだ.

四年前 、その活動の一環として、AHAはアカデミー賞の「Oscar」の英文字と韻をふむような遊び心をもって「Pawscar」という名で「Pawscar Awards」を創設した.
日本語でいう「肉球賞(パォスカー賞)」は、犬のみならず演技する動物全てに与えられる賞で、まさに動物版オスカーといえよう.

人間のアカデミー賞と違い、毎年変わるカテゴリーについてその理由を広報部のジョオン・バウマン氏に尋ねると、
「年間二千以上の映画プロダクションに直接関わり、各年ごとに、動物が出演している作品の内容が変わる為、カテゴリーも自然と変わる」
との事であった.
受賞作品、受賞動物のリスト、そして受賞理由は、次の通りである.

第4回 パォスカー賞 (The 4th Annual Pawscar Awards) 受賞作品、受賞動物

スターである主役の人気をさらう脇役賞(Best Scene Stealer)

アギー(Uggie)『ジ・アーティスト』(原題: The Artist)
 
評:「ジャックラッセル・テリアのアギーは、モノクロの無声映画において、カラーで音声のある映画に出演している多くの犬より、ユーモアがあって陽気で観客をはじめ共演者の心をつかんでいる」
「TVや映画に出演している犬や猫のおよそ80%が、アニマルシェルターからのレスキューで、アギーもその一匹である」

 

パーセプション vs. リアリティ賞(Best Perception vs. Reality)

『戦火の馬』(原題: War Horse)
 
評:「馬のジョーイ(Joey)役のファインダー(Finder)が戦場を駆け抜け、有刺鉄線にひっかかるなどというショッキングなシーンは、実は柔らかいゴムを使ったシーンであった.馬は実際には傷ついておらず、ファインダーの素晴らしい演技によって、観客は馬が危なかったと思わされる」
 


 

 

ベストドレッサー賞(Best Dressed)

『ポッパーさんとペンギン・ファミリー』(原題: Mr. Popper’s Penguins)
 
評:「出演したジェンツーペンギン(gentoo penguin)は、主演のジム・キャリーを凌ぐ粋な着こなしをしていた.自然と身に付いたタキシードにはキャリーも “They were smokin’!” と言ったかも」
 


 

 

元気の出る「シッポ・尾びれ」賞(Best Inspirational “Tail”)

『イルカと少年』(原題:Dolphin Tale)
 
評:「逆境に負けず、義尾をつけたイルカのウィンター(Winter)の実話は、世界中を元気づけた.障害をもった子ども達や、重傷を負った元兵士達に希望をあたえ、人と動物の絆の美しさを見せてくれた」
 


 

 

テクノロジー賞(Best Use of Technology)

『ジャックとジル』(原題:Jack and Jill)
 
評:「オウムのプープシー(Poopsie)がチョコレートファウンテンの中に入ったり、ウィスキーを飲んだり、窓ガラスにぶつかったりしたのは、すべてCGによるもので実際の鳥は危険な目にあっていない」

 

アンサンブルキャスト賞(Best Ensemble Cast)

『幸せへのキセキ』(原題: We Bought A Zoo)
 
評:「キャメロン・クロウ監督のこの作品には、カワウソ(otter)、孔雀(peacock)、熊(bear)、ライオン(lion)、トラ(tiger)、 オマキザル又はカプチン(capuchin)、ヘビ(snake)、ハチ(bee)、ヤマアラシ(porcupine)、イグアナ(iguana)、ビントロング(binturong,aka a bearcat)といった動物が総出演」
 


 

 

ベストスピーキング賞(Best Animal Speaking Role Ever)

コスモ(Cosmo)『人生はビギナーズ』(原題: Beginners)
 
評:「オリヴァー(ユアン・マクレガー)とハル(クリストファー・プラマー)を支えるジャック・ラッセル・テリアのアーサー(Arthur)役のコスモ(Cosmo)の吠える声はサブタイトルとしてスクリーンに表示された.恐怖心から悲しみ、揚々さから救いまで表すコスモの表情.そしてその彼によって引き出される共演者の感情.
それ故、プラマーがゴールデングローブ助演男優賞を受賞した時のスピーチでコスモに感謝したのは納得できる.
マクレガーはコスモを愛するあまり、撮影終了後、コスモのいない淋しさを紛らわせる為、自分もレスキュー犬を飼う事になった」

 

ドッペルゲンガー賞(Best Doppelganger)

『アイ・アム・ナンバー4』(原題: I Am Number Four)
 
評:「映画を観ている時に実は、四匹の犬が一匹の犬を演じていたとは誰も想像がつかなかったであろう.一匹に負担がかからなすぎないように配慮した為の処置である」

動物役者にとって名誉であると共に、動物を使っている映画製作者側にとっても愛する動物を傷つけず、そのチャーミングな魅力を引き出すことに成功したという証明であるこの賞は、アニマルラバーが安心できるよう細心配慮され、裏話とともに興味深い結果となった.
なお、投票によってピーブルチョイス賞が今週末発表される予定になっている.

 

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