インタビュー:アニメーションの世界
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アイス・エイジ(Ice Age) シリーズで有名なプロデューサー、クリス・メレダンドリ氏が Mac Guff を訪れた時に見つけた逸材、ピエール・コフィン氏.
メレダンドリ氏に依頼され、『怪盗グルーの月泥棒』の監督を引き受ける事になった有能なアニメーター、映画監督コフィン氏に、怪盗グルーの月泥棒続編、その他の作品作りで忙しい中インタビューしました.映紹:仕事を引き受けられた理由は?
PC:最初は迷っていたんだ.(メレダンドリがもってきたオリジナルの)ストーリーはあまり好きではなかったし、コマーシャルや短編アニメーションを創る暮らしを多いに楽しんでいたからね.
メレダンドリとよく話し合った後、「じゃあ、ストーリーを他の監督に任せて、君はアニメーションを指揮する、というのでどうだい?」と彼が言うので、「それなら」、と引き受けたんだ.映紹:短編アニメーションやコマーシャルの創作から長編アニメーション映画の制作への転換は難しかったですか?
PC:そんな事ないよ.スケールが違うというだけ. ポリティックはだいたい同じ、
創造性の自由はもっとあるね.その他は基本的に同じ、ただ大きいだけ.映紹:クリス・ルノー共同監督と一緒の仕事はいかがでしたか?
PC:このプロジェクトが始まった時、唯一心配だったのが、共同監督という点だったんだ.お互い知らないもの同志だったからね.それこそひどい事になりかねない.でもそういう事にはならなかった.僕たち90%は賛同して、後の10%は、よく話し合って妥協するという形をとったんだ.
映紹:どのようにしたアニメーターになったのですか?
PC:Gobelins school of animation という所で勉強.その後、ロンドンの Amblimation という会社で、”We’re Back”という昔通りの2Dアニメーション映画に携わったんだ.フランスに戻った後コンピューターのイメージに魅かれて、その時業界をリードしていた ExMachina という会社で仕事を始めた.そこで、アニメーターから、アニメーションの監督、そして、主にコマーシャルを創る監督になったんだよ.
映紹:影響を受けた方は?
PC:テックス・エイヴェリー(アヴェリー、エイブリー、エイバリーとも表示されてきた)(Tex Avery)、ニック・パーク(Nick Park)、マイケル・ドゥドックデウィット(Michaël Dudok de Wit)、リチャード・ウィリアムズ(Richard Williams)、宮﨑 駿(Hayao Miyazaki).
宮﨑 駿の映画は全て感動的で、スマートで、詩的だと思う.彼の映画は僕の大好きな要素が全て含まれている.もし僕が彼みたいに頭が良くて才能があったら、僕も彼のような作品を是非創りたい.映紹:仕事のインスピレーションはどこから得られますか?
PC:インスピレーションは日常の生活から、そして大好きな映画(アニメーションとは限らない)から.
映紹:この映画を製作するにあたって一番良かった事、一番辛かった事は何ですか?
PC:一番良かった事は、とにかく楽しかったこと.
一番辛かったのは、この作品が、ドリームワークス・アニメーションやピクサーと比較される、というのがわかっていた事.僕たちには彼らのような資源も予算もないからね.映紹:この映画を観る観客へのメッセージは何ですか?
PC:とにかく楽しんでほしい.この映画は家族皆で観られるファミリーものだから.
映紹:将来アニメーターや監督になりたい人へのアドヴァイスはありますか?
PC:時間をじっくりかけること.才能があってナイスで幸運だったら、いつか自分の番が来るよ.
映紹:次のプロジェクトは何ですか?
PC:Illumination が僕に良くしてくれて、来年初めに仕上がる予定の短編映画をプロデュースしてくれたんだ.他の映画のプロジェクトの仕事もしているし、勿論『怪盗グルーの月泥棒』の続編にも取りかかっているんだ.
日本ではまだなじみの少ないピエール・コフィン氏ですが、これを機会に彼の作品がもっと紹介される事を楽しみにしています.
彼の名を一躍有名にし、業界から引っ張りだこになるきっかけを作った作品、カバと犬が主人公の『Pat et Stanley(英語名:Pat and Stan)』は、その可愛さとユーモアで母国フランスやアメリカでも大人気.
日本でもどこかのテレビ局でシリーズを放映してもらいたいものです.
Pat & Stan, Le lion est mort ce soir
Pat et Stanley (Pat and Stan) by Pierre Coffin
彼の担当したコマーシャルもキュートで面白く、彼独特の作品はどこで垣間見てもつい見入ってしまいます.
アニメーション界がインターナショナル化する中、コフィン氏のような才能と実力あるクリエーターがリーダーとなって私たちに素晴らしい想像の世界を見せ続けてくれる事を多いに期待します.
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子供向けの映画のおすすめでみて家族揃ってこの映画大好きになりました。
こどもがぬいぐるみをほしがって困りました。
笑えるだけではなくて心あたたまる映画でした。アニメーションは余り好きではない妻も大よろこびで観ていました。
監督の新しい仕事楽しみにしてます。
テックス・エイブリーやニック・パークは両方とも面白いけど笑いがどこか違う気がする。どちらかと言うとアードマンを率いるパークの方がどこかあたたかみがあって好きだ。グルーの良さも残酷な笑いを求める所もあるけどつまる所優しいんだ。その優しさがあってこそ少しきつい笑いも救われる。子供達は可愛かったけど何よりいいのがミニヨンだよ。パットとスタンリーみたいに柔らかでおもしろいところあるけどコフィン自身が描いたのかな。でも監督だから無理か。
続編期待してます。
クリス・メレダンドリさんばっかりインタビューされているので監督はどういう人なんだろうって思ってました。この映画すごく良くて、またDVDがでたら見ようと思っているけど、こうして監督の内話きけて良かった。日本以外でもアニメに携わっている人がまたもやスタジオジブリの宮崎さんを尊敬しているってうれしい気がする。この映画ジブリの映画よりずっと過激だけど。
ショートをやっている人が難なくフィーチャーものに変われるんだ。でもコフィンさんみたいに下積みあっての事だな。ミヤザキのファンなんてこっちが嬉しくなる。ミヤザキの褒め方がやたら謙虚だな。彼のこれからの作品楽しみ。こういう外国人と日本人が共同でなんかやっても面白そうだ。
ピエール・コフィンさん優しそう!
フランス人が監督だからこのアニメーション映画は他のものと違うのかもしれない。知らない監督だったでインタビュー記事読めてよかったです。
Pat & Stan パットとスタン最高。笑えた。なんで日本に来てないんだろう。フランスは日本のアニメーションが大好きって聞いてるけどあちらでもいろいろ創られてるんだ。今度は日本が世界のアニメーションを見る番だと思う。