『トイ・ストーリー』(原題:Toy Story)、『トイ・ストーリー2』(原題:Toy Story 2)、共々に素晴らしいサウンドトラックを提供してくれたランディ・ニューマン(Randy Newman).
最近はサウンドトラックの制作で知られているが、大学で音楽を専攻していた頃から次々と様々な分野でヒット曲を生み出してきた.映画音楽としては、『我が心のボルチモア』、『レナードの朝』、『ザ・ペーパー』、などを経て、1995年に『トイ・ストーリー』を担当する.それがきっかけで、『バグズ・ライフ』、『トイ・ストーリー2』、『モンスターズ・インク』、『カーズ』、『トイ・ストーリー3』などピクサ−作品の音楽を数々手がけている.『モンスターズ・インク』のテーマ曲「イフ・アイ・ディドゥント・ハブ・ユー(If I Didn’t Have You)」で2002年度のアカデミー歌曲賞を受賞.そんなランディ・ニューマンが、『トイ・ストーリー3』(原題:Toy Story 3) で前作二本を超えることなどできるのだろうかと奇遇していたが、悪い予感が見事にあたってしまった.
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オリジナルと続編で感じられた心がまったくない.
それぞれのシーンにあったハーモニーが全然みられない.
独創性が見当たらない.
その上、哀しきや最後のジプシー・キングス(Gipsy Kings)がスペイン語で歌う、彼ら風アレンジの「君はともだち (You’ve Got A Friend In Me)」が場違いの気がする.
終局を締めくくるウッディやおもちゃ達の切なさ、アンディからの愛おしさを浮き彫りにする名曲を創れる器量を持ったランディ・ニューマンはいったいどうしてしまったのだろう.これに比べて、オリジナルはやはり良い.
トイ・ストーリーのテーマ曲「君はともだち (You’ve Got A Friend In Me)」を始め、ランディ・ニューマンの歌声とともに、ウッディの心持ちをうまく表した「すべてがストレンジ(Strange Things)」、バズの気持ちの変化を微妙に表現した「幻の旅(I Will Go Sailing No More)」など素晴らしい仕上がり.
その他「ミッション(Soldier’s Mission)」、「無限のかなたへ(Infinity And Beyond)」といった曲もシーンの描写に合ったレベルの高いものになっている.
最後のライル・ロヴェット(Lyle Lovett)とのデュエット「君はともだち」は、最初にランディ・ニューマンがひとりで歌った時と対照的、象徴的で効果覿面.『トイ・ストーリー』試聴・ダウンロード
続編のサントラも聴きごたえがある.
「ウッディのラウンドアップ」は楽しく、「ザーグの惑星(Zurg’s Planet)」、「修理屋(Cleaner)」といった曲も見事なできである.
いくつもある高度の歌、曲の中で、『トイ・ストーリー2』を飾る秀悦の作品は、何といっても「ホエン・シー・ラブド・ミー(When She Loved Me)」.
胸がしめつけられるジェシーの告白シーンに流れるサラ・マクラクラン(Sarah McLachlan)の哀感こもる歌に涙を流した方も多いだろう.これは感動の一曲である.『トイ・ストーリー2』試聴・ダウンロード
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