インタビュー:アニメーションの世界
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2010年に公開されたヒット作『怪盗グルーの月泥棒』(原題:Despicable Me)の続編『怪盗グルーのミニオン危機一発』の監督も務めたピエール・コフィン氏。
両作品で際立つ人気キャラクターのミニオン達を主役としたスピンオフ作品(2014年アメリカ公開予定)作りで忙しいコフィン氏にインタビューしました。映紹:孤児だった子供達に父親ができ、次に母親を欲しがるのは当然な流れのようですが、続編の話はどのように進んだのですか?
PC:第一作目の要は、三人の女の子達を受け入れていくグルーの心の葛藤、(それによって生まれる)感情だった。
続編ではそれを中心に描かなかったというか、できなかったんだ。
もしそうしていたら前作と同じ映画になってしまう。
だから(プロデューサーの)クリス・メレダンドリが女性のキャラクターを投入して、彼女がグルーの感情を呼び起こす存在になる事を提案。
そして、(同じく監督を務めた)クリス・ルノーはジェームズ・ボンドのパロディをやりたがり、私はミニオンたちの活躍を望んだんだ。映紹:伝統として前作から続けたかったものは何ですか?
PC:特殊なユーモアかな。私たちは、大人が子供と一緒に楽しめるようなファミリー(家族)映画を創る努力をしてきた。
私自身子供達と一緒に映画を観に行って退屈するのはいやだからね。
大人も子供も家族みんな揃って楽しめる映画を創るのは大変。だけど、その目標を達成できるとやりがいがあるし充実感もある。映紹:前作と今回の作品の大きな違いは何ですか?
PC:(良いも悪いも)リズムかな。今回は(前回に比べて)ずっと早い。
観客が前作のすべてをもっと望んでいるのはわかっていたから、希望に叶うようにしたんだ。映紹:グルーは「卑劣な奴(原題の”Despicable”)」ではなくなりましたよね?
PC:グルーはもともと卑劣な奴ではない。確かに気難しいし、自負心も強い。
でも、そんな彼が娘達を喜ばせるために努力(例えばフェアリープリンセスの衣装を着たり)するところがすごく好ましいしおもしろくもある。映紹:ミニオンのアニメーションの質が変わりましたね?
PC:そうなんだ。私たちのレンダリング・エンジンはレディオシティを使うようになってもっと現実味を帯びる(色があちこちで反射する)ようになったんだ。
おかげでイメージがもっと豊かでおもしろくなったよ。映紹:第一作目の3Dの方がよかった気がするのですが。
PC:そんな事はないと思う。
私たちは両作品ともストーリー(物語)とキャラクターを一番重要視して創っている。
3Dはギミック。状況によってシーンをもっとおもしろくさせるためだけのもの。
先ほど言った重要な二点の邪魔になるようだったらためらいなく除去する。
だからこそ3Dを使う場所は十分気をつけている。
例えばエンドクレジット。ここでは極限までやるけどね。映紹:次回作(スピンオフとも言える)ミニオンたちが主役の映画はいかがなものになるでしょう?
PC:良いアイディアなんだ。とてもオリジナルで大いに笑える可能性がある。
ただ、へまをしないよう願っているよ。映紹:2010年の『イリュージョニスト』(仏:L’Illusionniste、英:The Illusionist)や『パリ猫ディノの夜』(仏:Une vie de chat、英:A Cat in Paris)以来あまりフランスのアニメーション映画が話題になっていませんが、どう思われますか?
PC:コンセプトやアーティスティック・デザインに関してはフランスアニメーションは優れていると思う。
でもストーリー(物語)の伝え方や商業的価値感に関してはどうかな。
普遍的な魅力がなければ世界の人々に愛されないだろうし、観客が観に来てくれないからね。映紹:最近のアニメーション映画で好きだったものは何ですか?
PC:最近のものでは『シュガー・ラッシュ』(Wreck-It Ralph)。それから『Ernest & Celestine』(フランス、ベルギーの2012年アニメーション映画。アメリカでは2013年公開予定)が大好きだった。
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